活動インクルーシブな子ども広場 桧原運動公園勉強会プロジェクト2023.11.30

研究責任者:芸術工学研究院 教授 平井康之
キーワード:インクルーシブ、公園、デザイン
インクルーシブ公園とは、「みーんなの公園プロジェクト」代表の柳田教授により「障害の有無などにかかわらず、すべての子どもが自分の力を生き生きと発揮し、様々な友達と共に遊び学べる場所」と定義されています。
日本におけるインクルーシブ公園の動きは、2020年に東京の砧公園で始まりました。福岡市でも2022年3月に「インクルーシブな遊具広場整備指針検討委員会(途中で整備指針名称をインクルーシブな子ども広場に統一、以下「検討委員会」)」が発足し、その委員長として整備指針策定に携わってきました。
その結果2023年1月に整備指針と、福岡市のすべての区にインクルーシブな子ども広場を整備する計画が発表されました。本助成プロジェクトは、その一つである南区の桧原運動公園の勉強会で、地域と行政と教育を結ぶ社会活動です。その中で、桧原運動公園整備がスタートし、2023年11月に4回ワークショップが開かれました。しかしインクルーシブな子ども広場にとって、当事者の使い勝手の良い広場を作るためには、地域と行政の協力関係が不可欠であるという認識は誰もが持っていたにもかかわらず、具体的な関係づくりについての議論は進みませんでした。ここでの大きな課題は、行政と地元の市民・組織と一緒に計画を進める経験がお互いに希薄なことでした。そこで、九州大学が社会的に中立な組織として、その間を結ぶことを試みる勉強会を、桧原6丁目町会長東氏、花畑中学PTA会長吉田氏と共に立ち上げました。
2023年1月の発足から5回の勉強会を開催し、1300人の住民対象のアンケートを実施しました。計画していたシンポジウムとワークショップは5月以降に実施する計画で進んでいます。今回の最大の達成点は、福岡市、地域自治協議会、インクルーシブデザイン専門家による勉強会を組織できたことと、今後の地域住民の参加を呼びかけるコミュニケーションを設けることができたことです。