レポートSDGsデザインスクール Stay@Home2020.5.18
2020年春、コロナウイルスの感染拡大防止のため全国の学校が休校になりました。そこでSDGsデザインユニットでは、小学生を対象にした「家にあるもので、よりよいStay at Home(おうちのすごしかた)をデザインしよう!」をテーマにしたオンライン教育プログラム「SDGsデザインスクールStay@Home」を開催しました。このプログラムでは、子どもたちが自ら課題を見つけ、身近にある素材を使って解決策を考える力を身につけることを目的としました。
[参加者]
小学生3名とその保護者
[講師]
九州大学SDGsデザインユニット
ロー・ワイ・リオン助教(九州大学大学院芸術工学研究院)
張 彦芳講師(九州大学大学院芸術工学研究院)
[プログラム]
4日間のプログラムでは、SDGsデザインスクールの教育ツールの一つである「クエスチョンカード」を使いました。子どもたちはクエスチョンカードに書かれた一つ一つの質問に答えながら、自分で問題を発見し、その改善アイデアを考えたり作ったりしました。期間中は毎日午後4時までにその日の宿題を先生に提出します。最終日には家にあるものを使って、家の中でよりよく過ごせるデザインを提案する発表会を行いました。
Day1
Q:身近な所で起きている問題を一つ見つけよう
子どもたちは家の中で自分や家族が困っている問題を探しました。問題を見つけたら写真に撮ったり、絵で描いて先生に送りました。
Q:見つけた問題を説明してみよう
なぜこの問題が起きているのでしょうか? この問題で困るのは誰ですか?1日目の宿題は自分が見つけた問題について他の人がわかるように説明することです。
Day2
Q:この問題を解決することで最も重要なことは何ですか?
例えば、この問題を解決すると、何がどう変わるでしょうか?解決することで何を実現したいか?など問題の焦点を絞りました。
Q:この問題を解決することでどんな影響が起こりますか?
例えば、解決すると誰が影響を受けるか、など様々な観点で考えました。
Day3
Q:問題を解決するアイデアをデザインしよう
見つけた問題を解決するためのアイデアを考えます。一人3つアイデアを考えることが宿題として出されました。
Day4
Q:問題を解決する模型やプロトタイプを作ろう
3つのアイデアの中から一つを選んで、発表会に向けてプロトタイプを作りました。材料は家にあるものです。
[日時]
4月27日(月)10:00-10:30
4月28日(火)10:00-10:30
4月30日(木)10:00-10:30
5月1日(金)10:00-10:30, 15:30-16:00(発表会)
計4日間
[使用したツール]
Zoom
毎日のプログラムはZoomを使ったオンラインのビデオ会議で実施。今回の参加者はそれぞれパソコン、タブレット端末、スマートフォンの3種類からアクセスした。
Googleドライブの共有フォルダー
参加した子どもは毎日の宿題を共有フォルダーにアップした。毎日先生から出される課題も同じフォルダーに置き、常に確認できるようにした。
LINEグループ
Zoom会議の途中や一日の中で質問やトラブルがあった時にすぐに対応できるように、あらかじめLINEグループを作った。メンバーは講師とスタッフ、参加者の保護者。保護者の方から、プログラム途中に子どもが困っていることや、改善案などの意見がLINEで送られた。
今回のプログラムを終えて、保護者の方からは「初めてデザインに触れる良い機会になった。作るだけでなく考えるプロセスを重視することがわかった。」「子ども一人のやる気に任せていたら最後のアイデア展開で行き詰まった。親がどのように導けばよかったのかわからなかった。」「アイデアを広げるところが難しかった。」など様々なご意見をいただきました。
今回はコロナウイルスの影響で多くの制限がある中で、オンライン教育の可能性を模索するプログラムとなりました。参加した子どもたちは、段ボールやレゴなど家にあるものをうまく使って、自分の考えや提案を形にし、伝えることができました。
SDGsデザインスクールは今後もSDGsをデザインで解決する教育プログラムとツールの開発・研究を進めてまいります。一日も早くコロナウイルスが収束し、子どもたちの幅広い学びが実現されることを願っております。
家の中で見つけた問題
アイデア展開1
アイデア展開2
最終成果物1
最終成果物2
クエスチョンカード