活動城⼀裕展 「⽊、紙、⾦属、磁器 ‒ 予め吹き込まれた⾳響のないレコード ‒ Wood, Paper, Metal, and Porcelain ‒ A record without prior acoustic information ‒」2023.10.3

研究責任者:芸術工学研究院 准教授 城一裕
キーワード:レコード、メディア考古学、パーソナルファブリケーション


以下の展⽰を実施した。

城⼀裕展
「⽊、紙、⾦属、磁器 ‒ 予め吹き込まれた⾳響のないレコード ‒ Wood, Paper, Metal, andPorcelain‒A record without prior acoustic information ‒」

会場:「EUREKAエウレカ」
(福岡市中央区⼤⼿⾨2-9-30 Pond Mum KⅣ 201
会期:2023年2⽉14⽇(⽕)―2⽉26⽇(⽇)
時間:12:00-19:00
休み:20(⽉)21(⽕)

参考資料:
-展⽰ウェブページ
https://eurekafukuoka.com/1865/

-展⽰リーフレット
https://www.dropbox.com/s/nby3ya0pf9sqiqp/230211-%E5%9F%8E%E4%B8%80%E8%A3%95%E5%B1%95%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%88.pdf?dl=0

-展⽰フライヤー *flyerdesign:ONAKAShunsuke(CalamariInc.) 
https://www.dropbox.com/s/mp8ikfh43kfdda6/Jo-eureka-flyer-230120.pdf?dl=0

-展⽰写真 *撮影:⼭中慎太郎(Qsyum!)
https://www.dropbox.com/sh/d339v56wywkxdmx/AACg5SbGB4zOAUiIaAL3DTf3a?dl=0

解説:
「再⽣する楽器であるグラモフォンから再⽣ではなく創造する楽器をつくること、そしてあらかじめ吹き込むべき⾳響なしにいきなり必要な溝をそこに掘り込み、そのレコード盤上で⾳響という現象じたいを発⽣させるようにすること」モホイ=ナジ(1923)

1923年、バウハウスのマイスター、モホイ=ナジは、あらかじめ吹き込むべき⾳響がないレコード盤を作り出すことを提案した。当時挑発的なアイデアにすぎなかったそのレコード盤を、成熟したアナログレコードの技術と、パーソナル・ファブリケーションの道具の助けによって、これまでに⽊、紙、⾦属、磁器といった様々な素材を⽤いて作り出してきた。

その変遷を⽰す今回の展⽰では、いずれの作品においても、1860年にフランスの発明家レオン・スコットが記録した(現段階で)⼈類最古の録⾳と⾔われるフランス⺠謡の「⽉の光に」をモチーフに、その楽譜から周波数を計算し、対応する波形を素材の表⾯に⽔平⽅向の溝として刻んでいる。それらの溝からは、計算機上で表された同⼀の「信号(シグナル)」に基づきながらも、各々の素材による「雑⾳(ノイズ)」にその表れが委ねられた⾳が⽣み出される。

参考⽂献
-フリードリヒ・A.キットラー(1999)グラモフォン・フィルム・タイプライター、筑摩書房.
-城⼀裕(2021)いつか⾳楽と呼ばれるもの試論その2、細川周平編:「⾳と⽿から考える歴史・⾝体・テクノロジー」、アルテスパブリッシング,pp.566-579.

あわせて会期中には,以下のトーク,ワークショップ,パフォーマンスなどの関連イベントを実施した。

-オープニングトーク
2⽉14⽇(⽕)19:00〜20:30
城⼀裕+秋吉康晴(聴覚⽂化論)


-ワークショップ
「紙のレコード」-予め吹き込むべき⾳響のないレコード編-
2⽉23⽇15:00〜17:00
九州⼤学⼤橋キャンパス7号館コンピューター室教室
定員10名*要事前申し込み(ギャラリーにて直接のみ)


-パフォーマンス
freq2023-メディア・テクノロジーから⽣まれる⾳-
2⽉23⽇18:30〜
ゲスト:L?K?O、1729
九州⼤学⼤橋キャンパス⾳響特殊棟録⾳スタジオ
定員50名

-クロージングトーク
2⽉25⽇(⼟)19:00〜
城⼀裕+尾中俊介(カラマリインク)+牧野⾝紀(EUREKA)



本研究は令和4年度未来デザイン学センター少額研究助成を受けたものです。