レポート2019年度活動報告:コンテンツ創成科学部門2020.3.31

コンテンツ創成科学部門は、独創性の高い価値ある情報を創成しうる学際的研究・実践を目的に設立された部門です。本部門の教員・研究者は、情報通信技術を高度に活用し、先端メディア技術を背景とした制作実践環境の支援、芸術的感性や諸科学の融合による独自性のあるコンテンツやメディア芸術の創成、エンターテインメントの科学研究・感性評価などを行っています。

本部門の代表的な取り組みのひとつが、福岡アジア美術館で毎年行われている国際的コンペティション「アジアデジタルアート大賞展FUKUOKAADAA)」におけるシンポジウムの共催です。このコンペティションのコンセプトは、先端的なメディアテクノロジーの進展を背景に、豊かな芸術的表現をアジアの心を持って表出しようというもので、論理的な思考に基づく芸術的な感性を生かした新たな表現を期待するとともに、メディア芸術を通したクリエイター同士のネットワーク構築を目指しています。18回目を迎えた2018年度は、15の国と地域から705点の応募があり、厳正な審査の結果、アジアデジタルアート大賞をはじめとする64作品が選出されました。

そのほかにも、本部門では、教員や大学職員、学生、他大学、企業、関係協力機関などの産官学民が連携をとり、新たな学術研究領域の創出を目指した「第一回 未来の福岡の運動会」を2018年3月に開催しました。その中で行われた、新しいスポーツ種目をデザインする運動会ハッカソンでは、約30名がアイデアを出し合い、明太子をバトンに見立てた福岡ならではのリレー種目や、車椅子の方と一緒に競技できる種目などが誕生。それらの新しくつくられたスポーツを体験する運動会では、100名を超える市民が参加しました。5種目のスポーツを通じ、初対面の参加者が立場を越えて運動会の本来の在り方を考え直し、今後のスポーツとデザインが築く未来社会の創成を考える機会となりました。